Vol.29 カウンセリングの効用(その3)

カウンセリングの効用の最終回です。

4と5について書きます。

 

4 考え方が変わったことについて、自分で気付くのは難しいということ

5 自分の言うことを肯定されると、今以上に何かやろうという気持ちが湧いてくること

 

普段の自分の行動について、つぶさに見ている人はいますか?

 

それは、誰でもなく自分です。

でも、自分はそれこそ、自分勝手に色んなことを考えます。自分勝手なので、自分が特に気になる事しか考えません。

 

パニック障害になると、自分が特に気になることは、兎にも角にも自分の体のことです。それも、大体は体の調子が悪い事です。

 

調子が悪いことを、自分勝手に考えると、大体がマイナスの方向に行ってしまいます。

そうすると、

 

調子が悪い

きっと何々が原因だ

例えば

「症状が良くなるためにやっていたことをやっていなかった」

だから、調子が悪いんだ。自分が悪いんだ。ちゃんとできない自分はダメな人間だ。

 

なんていう、悪循環になりがちです。

 

でも、自分の言動の中に隠されている、自分の本当の気持ちにはなかなかたどり着きません。

 

カウンセリングで↑のようなことを話していくと、そもそも何で自分がそう思うのか、徐々に自分の内側を振り返っていきます。(内省といいいます。)

 

その時だけの事ではなく、過去のある時まで振り返って、あの時こんな風に行動したけど、それはこういう事なんじゃないかな、と考えが巡るようになります。

 

そこで、↑のような悪循環にならないよう、先導してくれるのが、カウンセラーなのです。

 

過去のことを振り返ることは、ストレスがかかることもあるでしょう。でも、そのストレスがどこから来ているのか、カウンセラーは一緒に考えてくれます。

 

上手に内省するために、カウンセリングはとっても有効なのです。

 

このようなことを通じて、カウンセラーと信頼関係が出来てくると、カウンセラーの言っていることをどんどん信頼できるようになります。

 

そうすると、5にあるような、自分の行動を肯定してくれることが、大変な自信になります。

 

あまり、信頼関係が築けていない人から肯定する発言があっても、納得感はあまり得られません。極端な例で言うと、嫌いな人から自分を肯定するとこを言われても素直に聞けない、そんな感じです。

 

そもそも、自分でも「これは良く出来た!」と思うことであれば、褒められてもまあまあそこそこの納得感です。でも、自分ではあまり感じていなかったことに気付かせてくれると(特に褒められると)、「え!そうなんですか?そんな風に見られるんですね!」となって思わぬところで自信の種が見つかります。

 

これまで、見つけられてなかった種なので、思いのほか自信になることがあります。

うすうす気になっていた自分の特性が、過去の体験と合わさって腹落ちするなんてことか、良くあります。

 

そして、プラスの性格を見つけた時よりもマイナスな性格を見つけた時に状況は大きく進展します。

 

なぜ、私がこんなマイナスな考え方になるのか。それが、過去の体験から紐解けたとき。それは、ほとんど治療が完了したに等しい事なんです。

 

パニック障害は、何から来ているのか、本当のところはわかりません。なので、これが原因じゃないかということが分かったら、あとはそれを改善していけば、症状も落ち着いていきます。

 

なので、お薬とカウンセリングは両方が必要なのです。

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