Vol.20 過去を振り返る(その5)
1年間の浪人生活をはさんで、何とか大学へ入学しました。
電車で45分。バスで30分。バス停から歩いて15分。通学にも苦労しました。
毎日、腹痛、吐き気、下痢の繰り返し。
バスがどうしようもなく厳しかったです。そのうち、パニックの症状も出てきて通学でほとんどの体力が消費されていました。
入学から長い期間、昼ご飯は食べられませんでした。
食べないなら、食べないでふっきればいいのですが、それでは「普通」でないので、そばやうどんなどを友人と同じように頼みます。
数本食べて後はどうやっても食べれなくて残しました。ごめんなさい。食堂のおば様。
大学にいる時間、ずっと吐き気と呼吸がおかしい状態が続きました。
それでも、吹奏楽のサークルに入り、授業にも何とか出て、「普通」の大学生活を送っていると、私は大丈夫だと思って過ごしていました。
そんなとき。サークルの仲間と近くのファミリーレストランに行きました。
初めてみんなで行った時の話しではなく、何度も行っていたときのある日の出来事でした。
ランチの時間です。
それぞれ、注文をしていきます。
そんなとき、一人の友人が話した一言が、
「オレ、今日は何かお腹減ってないな。
無しでいいわ。」
これ、普通の人には何の感情も沸かない一言ですよね。
でも、私には違いました。
ええっ!
お腹減ってなければ頼まなくてもいいんだ!
「頼まなくていいんだ、頼まなくていいんだ、頼まなくていいんだ・・・・・・」
頭の中でリフレインしたのです。
こういうときに頼まないという選択肢は全く無かったのです。
この言葉を聞いて、私の頭上から光がさしたくらい、私にとっては衝撃でした。
ほんとに。ひっかかりが取れるときというのは、こんなにあっさり来るもんなのです。
私はこの日を境に、人前でご飯を食べることができるようになりました。
20年間。食が細く、嫌な思いしかなかった食事。
食べることができるようになっただけでなく、反動で大量に食べるようになったのです。食べられることが嬉しくて仕方ありませんでした。
ですので、今、ご飯が食べられない皆さん。
心のひっかかりが外れると食べられるようになると思います。
何か、自分のなかにある強い拘りが、そうさせているのだと思います。
私は、たまたま友人の一言でひっかかりがとれましたが、そうでなくてもカウンセリングなどを通して、内省を深めていけばたどり着けるのではないかと思います。
絶対に、改善できるときは来ると思います。