Vol.10 病院をかえたころ(2回目の変更)
3つ目の通院先は、これまでのように規模が大きい病院ではなく、クリニックでした。
街中にあるビルの1室で、建物もできたばかりできれいでした。
先生はこれまでで一番年配の男性でした。お聞きしなかったですが、サラリーマンであればとうに定年の歳を越えていたでしょう。
先生は初診で私の症状を聞いた後の診察では、いつも世間話のような、いや、多分その先生が話したかったことを私が聞いている時間を過ごしていました。
薬の処方はほとんど変わらず、世間話しみたいな診察を受け、ずっと飲み続けている薬を処方してもらう。そんなことが続いていました。
この薬、この先生で良いのか、このまま続けていて良くなるのか。。。
そう思った私は、近くにある他のクリニックにセカンドオピニオンを聞きに行きました。
そもそも、セカンドオピニオンと伝えたのがあまり良くなかったのか、その医師は突き放すように今のままで特に問題ないと言いました。
この頃になってようやく、この病気は医師が処方する薬を飲んで、体を休めていればいずれは良くなるものではないんだ、ということに気付きました。
薬を飲んで、夜は早く休んで、毎日頑張って会社に行きましたが、改善されなかったのです。
いつまでも、まっすぐ家に帰ることができず、頻繁にタクシーで帰っていて、時にはタクシーにも乗れず、歩いて帰ってきたりしていました。もう、悔しいとかそういう気持ちではなく、諦めに近い気持ちでした。
私の体は、こういうもので、もうどうしようもないものだ、と。
でも、そんなことはなかったんです。
根本的なもの。
私はどんな人間でどんな風に頭の中で考えるくせがあるのか、私自身が知ることが必要だったのです。