Vol.14 プラスの転機(その1)
家の近くのクリニックへ初診に行ったのは、深刻なダメージを負った、と思われる日から2日後でした。
初診の診察も慣れたもので、社会人2年目に起こった会社での発作から、その後の生活までを話し、今回なぜ来たのかを話しました。
すでに患ってから15年以上もたっていますので、この歴史を話すもの一苦労です。
今回の先生は、すぐ前の先生と同じように年配の男性の先生でした。しかし、前の先生と違っていたところは変に威張ったところがないところです。こちらの話しはきちんと聞いてくれます。そして、ひとまず服用している薬は今と同じものでいきましょうということになりました。
あら。これだと今までの医者と変わらないですね。
このままだと症状は改善しないのですが、このクリニックには他の病院、クリニック荷は無かった対応がありました。
それは、カウンセリングです。
これまで、カウンセリング、というとそれこそ重度の症状を持っている患者が受けるもの、という偏見があって気が進みませんでした。
でも、この時は、もうそんなことを言っていられません。スタート地点まで状態が戻ってしまったのですから、藁にもすがる思いでカウンセリングも受けることにしました。
はて。カウンセリングってどんなことを話すところなのだろう?
そんな考え方じゃだめ。こういう風に考えなきゃ、というようにダメだしされるところなんだろうか。
なんて、初めてカウンセリングを受ける日まであれこれ考えていました。
さて、カウンセリング初日。担当のカウンセラーは少し年配の女性の方でした。
私は診察で話したことと同じことを話しました。話をよく聞いてくれるので、単にこんな症状があったということ以外に自分がどんな気持ちなのか、についても話しました。
否定も肯定もせずにずっと私の話を聞いてくれました。
初日はそれで終わりです。つらい気持ちを他人に話せたことで、少し楽になりましたが、特段症状が改善するような感覚ではありませんでした。