Vol.6 初めて神経内科を受診する
会社で過呼吸で倒れた後、翌週から仕事に行きましたが、どうにもこうにも体調は良くなりませんでした。
今にして思うと、いわゆる予期不安が原因でした。
私の場合、最初の発作が夕方だったからか、昼過ぎから徐々に不安が高まり帰宅するような時間になると不安MAXです。
職場のあったビルの6階から地上に出るのでさえ困難。エレベーターにも乗れません。
毎日、出勤はまだいいのですが、帰りは毎回過呼吸になって、途中下車⇒タクシーで帰宅という日々が続きました。タクシーでも帰れないときには、度々救急車のお世話になりました。
日中も仕事に集中できず、頭の中は絶えず体の調子のことでいっぱいになりました。
さすがに、これはおかしい、と思い、行くのに抵抗があった神経内科を受診することにしました。
救急でお世話になった時に比較的対応が易しかった都心の大学病院に行きました。
平日は仕事で行けませんので、土曜日です。
総合受付で初診の登録を済ませすると、上の階にあがり、神経内科の窓口に透明なプラケースを出して、廊下にあるパイプ椅子に腰かけました。
私の周りには、具合の悪そうな人たちが、椅子に座ってじっと下を向いています。
それから、どのくらい時間がたったでしょうか。外出して、椅子に座っているだけなのに、私は少しずつ息遣いがおかしくなってきて、また、苦しいのを我慢しなければならない状態になりました。
いや、せっかく来た病院。受診せずに帰るのは。。。
諦めたくなる気持ちを奮い立たせて、待ち続けました。
1時間以上経過した後に、ようやく私の名前が呼ばれました。初めて会う医師は女性でした。ことの経緯を伝えると、ふむふむ、とわかってもらえたようで、「では、薬を出すので飲んでみてください」ということで終わりとなりました。正味数分。診断名は不明でした。何も告げられませんでした。
どういうことか、理解できませんでしたが、処方された薬を飲んでみないことには始まらないので、しばらく様子を見ようと考えました。
(通院して数か月後に私から「私の症状ってパニック障害であってますか?」と問うと、「ああ、そんな感じですね」とどっちだかわからない回答をもらいました。医師にとって病名はあまり重要ではないのですね。)
診断の後、薬をもらうまでにまた1時間以上。予想以上に大学病院は当時のわたしにとって、とてもつらいものでした。
その日から、私の投薬人生が始まりました。この後20年以上続くことになります。残念ながら服用を開始したからといって、私の症状は改善されませんでした。